ギリアド・サイエンシズ株式会社は、2015年5月25日に「ソバルディ(一般名:ソホスブビル)」を発売、7月3日には「ハーボニー(一般名:ソホスブビル・レディパスビル合剤)が承認された。新しいC型肝炎治療薬の登場に、業界から注目を集めている。(薬剤名下線部:千葉肝臓友の会で追記修正)。

国内では年間約3万人が肝がんで死亡しているが、その約7~8割は、C型肝炎が主な要因と言われている。C型肝炎の患者数は約37万人、C型肝炎ウイルスの持続感染者(症状のないキャリア)は約190万~230万人と推測されており(厚生労働省:肝炎総合対策の推進 について)、厚生労働省でも、肝炎の早期発見・早期治療を進めるために「肝炎総合対策」を進めている(厚生労働省:肝炎対策について)。

これまで、C型肝炎の治療は、「インターフェロンの単独治療」「インターフェロンとリバビリンの併用治療」が主流だった。しかし、「インターフェロン」は副作用が強く、途中で治療を諦めてしまう患者も少なくない。
今回発売された「ソバルディ」は、比較的副作用が少なく、海外でも多くの患者が使用している。1錠6万1799円とかなり高価な薬剤だが、副作用の点だけでなく、経口剤でかつ3ヵ月治療という点も売りで、今後、確実に処方が増えると言われている。なお、「ソバルディ」は2002年収載の抗真菌薬「ファンガード点眼用」以来の画期性加算が適応された医薬品。

一方、「ソバルディ」とNS5A阻害薬の「レディパスビル」との合剤「ハーボニー」は8~9月に発売の予定。国内患者の7割が対象となるジェノタイプ1型の治験結果では、重症な副作用が見られず、持続的ウイルス学的著効率(SVR12)100%という結果が出ている。薬価は未定だが、海外では1錠10万円を超えており、日本での薬価に注目が集まる。

また、C型肝炎については、自治体から助成金が出ることも、薬剤師として知っておきたい。各自治体の助成金についてチェックし、ぜひ患者に伝えてほしい(中外製薬:肝炎ZERO)。